藍染革 江戸小紋のこと
【enku】藍染革 江戸小紋

こちらのコインケースに使用している藍染革は【江戸小紋・変り縞(kawarishima)】という型染の革。
型紙を使って染める技法で、この模様だけでなく色んな型紙で染めています。
美しさに魅了されて、思わず手に取った型紙。
個人的に型紙を集めていますが、
染めているのはそんな一目惚れしたものばかりです。
型紙のその繊細さ、精巧さ、触れるたびに素晴らしいと思います。
いつか実際に見ていただきたいものばかりです。

そんな型紙を使った型染は通常の染色より何倍も難しいです。
ちゃんと昔ながらの方法で、
米から作った糊を使い、
刷毛で糊を置き、
すくもで灰汁発酵建てして染色を行っています。
糊はすべての穴に入り込ませなければならない。
そして型紙を外す際も崩れてはいけない。
藍染液につけても崩れないようにしなければならない。
少し触れるだけでダメになってしまうので他のものと接触してはいけない。
そして濃く染めるためには根気よく何度も染め重ねないといけない。
最後には糊を落とします。
美しく染め上げるため、常に細心の注意が必要です。

染め上げた後も
模様によってはどの部分を切り取って作ろうかと悩みます。
それは通常の模様のない藍染革でも同じですが、
意外にパーツを切り出すのにも色々考えます。
「江戸小紋」は江戸後期の天保の改革で絹や派手な着物が禁止された時代、
それでもお洒落を楽しみたいとの庶民の声から
遠目ではわかりにくい細かな模様や変わった柄が競って作られ、
それが粋とされて広まっていった文化の一つです。
現代でもデザイン的に素晴らしいなと感じます。
普段お使いいただきながら、
細かく美しいその模様を堪能していただけたらと思います。

型染 Katazome
細やかな柄や文字などを掘りぬいた型紙で、昔ながらの米から作る糊にて防染して藍染めし、デザインした模様を浮かび上げていく手法です。
主にenkuでは古来から親しまれている江戸小紋の型染を中心に染め上げております。
詳しくはこちら→型染ページ
by enku